Webデザイナーにおすすめの資格と難易度

Webデザイナーとしてキャリアを重ねるには、デザインの理論から実践的なコーディング能力、Adobe製品などのデザインツールの高度な操作スキルまで、幅広い知識とスキルが求められます。これらを独学で身につけるのは大変な作業で、効率的な学習方法が不可欠です。
そこで重要な役割を果たすのが、Webデザイナー向けの資格取得です。資格は実力を客観的に評価できるだけでなく、就職・転職活動でのアピールポイントにもなります。また、上位資格を目指すことで、新しい知識の習得を続けられるというメリットもあります。
本記事では、Webデザイナーにおすすめの主要資格を難易度別に紹介します。あわせて資格取得のメリットや、効果的な勉強方法についても解説します。キャリアビジョンに合わせて、ぜひ参考にしてください。
Webデザイナー資格を取得するメリット

Webデザイナーになるために、資格を持っていることは絶対必要条件ではありません。
ですが、Webデザイナーとして活躍するためには、デザインのセンスやHTMLやCSSなどのコーディング能力、そしてAdobeなどのデザインツールの操作スキルなど、さまざまなスキルが求められます。
これらの能力を身につけていることを証明するためには、過去実績をポートフォリオで見せるという手段もありますが、特にWebデザイナー未経験者にとっては証明手段に苦労します。ここで資格という客観的評価という証明手段があります。
まずはじめに、Webデザイナー関連の資格を取得するメリットについて解説します。
スキルの客観的な評価が可能
Webデザイナー関連の資格を取得することで、自身のスキルを客観的に評価することができます。例えば、Webデザイナー検定(ベーシック)ではWebサイトの企画・制作・デザインに関する基礎知識の理解を試されます。資格試験に合格できれば、一定の実力を持っていることが証明されます。自信を持って就職活動に臨めるでしょう。
また、上位の資格ほど高度な知識とスキルが必要とされるため、資格の級によってレベルの目安がわかります。経験値では分かりにくい自身の実力を把握するのに役立ちます。
転職や就職での有利な武器になる
就職・転職の場面では、面接などで「〇〇検定を取得している」と主張できれば、強みの1つになります。特に実務経験が乏しい学生や未経験者であれば、資格の有無が採用する企業にとっては貴重な検討材料となります。優れたポートフォリオを持っていても、資格がない場合は資格を有する人と比べた場合、不利になりかねません。
また、同じようなスキルを持つ人が複数いる中で、面接の際に自分を差別化するための材料にもなります。資格取得への努力を語ることで、責任感やモチベーションの高さをアピールできるのです。
継続的な学習意欲の維持につながる
Webデザインの分野は常に進化を続けており、技術や知識の陳腐化が避けられません。そのため、一度スキルを身につけたからといって安心できるわけではありません。継続的にアップデートされる内容を学び続ける必要があります。
そこで資格取得が役立つのです。上位資格に合格するためには、最新の知識やスキルが問われます。次の資格取得に向けて学習を重ねることで、自然と常に学び続けることができるのです。モチベーションを持続させることができ、長期的なキャリア形成に役立つのが大きなメリットです。
Webデザイナーに役立つ資格と難易度

Webデザイナーに役立つ資格は様々です。難易度によって何を目指すべきかが変わってきますので、自身のスキルレベルに合わせて資格を選びましょう。
- 【難易度:低い(合格率:高い)】 ※注意:難易度が低くても少ない勉強時間で合格できるわけではありません
- ITパスポート ※国家資格
- Webクリエイター能力認定試験
- ウェブデザイン技能検定(3級)※国家資格
- Webデザイナー検定(ベーシック)
- Photoshopクリエイター能力認定試験(ベーシック、エキスパート)
- Illustratorクリエイター能力認定試験(ベーシック、エキスパート)
- アドビ認定プロフェッショナル
- マルチメディア検定(ベーシック)
- 【難易度:中(合格率:中間)】
- ウェブデザイン技能検定(2級) ※国家資格
- 【難易度:高(合格率:低い)】
- ウェブデザイン技能検定(1級) ※国家資格
- Webデザイナー検定(エキスパート)
- マルチメディア検定(エキスパート)
ITパスポート(iパス)※国家資格

ITパスポート(iパス)は国家資格で、IT全般についての基礎知識が問われます。難易度は低く、初心者でも取得可能です。Webデザイナーに特化した資格ではないものの、合格することでIT全般に関する基礎知識は有していることの証明になります。
Webデザイナーを目指す人には最初の一歩としてお勧めの資格です。
Webクリエイター能力認定試験

Webクリエイター能力認定試験はサーティファイ Web利用・技術認定委員会が主催するWebデザイン、マークアップ言語、Webコーディングなどの基礎知識が問われる検定試験です。初級者にとって最初の一歩としてWebデザインの世界に足を踏み入れるのに適した資格で、デザイン制作の基本から学べます。
スタンダードは実技試験のみ、エキスパートは実技試験と知識を問われる試験がありますが、エキスパートの場合でも、Webデザイナー・コーダーの基本レベルで合格率も高い資格です。
ウェブデザイン技能検定 ※国家資格

ウェブデザイン技能検定は、国家資格としては唯一のWebデザイン専門の資格です。3級、2級、1級の3つの級があり、基礎からサイト制作の実践まで幅広い範囲で理論とスキルが試されます。Web業界で広く知られた資格なので、取得しておくべき検定の一つです。
3級は合格率も高く難易度は低めですが、級が上がるにつれ難易度が上がり、合格率も低くなっています。
合格すると「ウェブデザイン技能士」の肩書が与えられます。
Webデザイナー検定

Webデザイナー検定は公益財団法人画像情報教育振興協会が主催する、コンセプトから運用までのWeb制作の知識の習得を評価する民間の検定試験です。ベーシック、エキスパートの2つのグレードがあります。
ベーシックは難易度は低めですが、エキスパートの難易度は高めです。
資格保持者に対する評価は高く、実務経験の補完としても有用な資格です。
Photoshopクリエイター能力認定試験

Photoshopクリエイター能力認定試験はサーティファイ ソフトウェア活用能力認定委員会が主催する試験で、業界標準となっているAdobe社のグラフィックデザインツールPhotoshop(フォトショップ)の実践的な操作スキルを認定する試験です。スタンダードとエキスパートの2つのレベルがあります。画像加工の基本スキルを証明できるほか、クリエイティブな発想力も評価されます。
2つのレベルがありますが、エキスパートの方も合格率は高く、難易度は低めです。
Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustratorクリエイター能力認定試験はサーティファイ ソフトウェア活用能力認定委員会が主催する試験で、Adobe社の製品である、ベクター グラフィックス ソフトIllustrator(イラストレーター)の操作能力を示す資格です。スタンダードとエキスパートの2つのレベルがあります。ロゴやアイコンデザインなどでの評価が高く、ツールの本格的な使いこなしができる証明になります。
2つのレベルがありますが、エキスパートの方も合格率は高く、難易度は低めです。
アドビ認定プロフェッショナル

アドビ認定プロフェッショナルは、Adobe社が主催するデザイナーやクリエイターに必須のAdobe製品(Photoshop、Illustrator、Premiere Pro)に関する基本的なスキルが問われる試験です。
試験はソフトウェア毎に設けられています。
Adobe社のPhotoshopやIllustratorはWebデザインをする際のデザインツールとして定番となるソフトで、それらの資格を有していることは両ソフトのスキルに関して一定の知識を持っていると証明されます。合格率は高く難易度は低めです。
マルチメディア検定

マルチメディア検定は公益財団法人画像情報教育振興協会が主催する、ビジネスで使われるマルチメディアやICTの知識の習得を検定する試験です。Webデザイナーに特化した資格ではないですが、マルチメディアの基礎をはじめ、メディアの処理技術、コンピューターの仕組み、知的財産権など、幅広い知識が問われます。
ベーシック・エキスパートの2つのグレードがあり、ベーシックは合格率は高く難易度は低めですが、上位のエキスパートでは高度な知識と経験が必要で合格率は低く難易度は高めです。
Webデザイナー資格の勉強方法

Webデザイナーとして必要な知識とスキルを獲得し、資格試験に合格するには効果的な勉強方法が欠かせません。ここでは資格を取るためどのような勉強方法があるのかご紹介いたします。
公式テキストや過去問題で理解を深める
資格試験の公式テキストや過去問題集を活用するのが王道です。テキストには出題範囲の内容や傾向が的確に反映されています。試験の形式にも慣れることができ、着実に実力をつけていくことができます。
まずはテキストで基本的な知識を学習し、次に過去問題に取り組むことで理解を深めましょう。間違った問題については、丁寧に解説を読み返し、知識の定着を図ります。試験本番さながらの問題に取り組めば、本番での対応力もつきます。
オンライン講座やスクールを活用する
一人で勉強するのは孤独な作業であり、すべて自走で自発的に学習を継続するモチベーションの維持が難しい人もいます。そうした場合は、オンライン講座やスクールなどを活用して強制的に学習する習慣を作ってしまうのがおすすめです。
受講生同士でディスカッションや課題の作成を行えば、刺激を受けながら高め合ったり、受講生同士の人脈形成により後日、仕事での付き合いが発生するといった利点があります。また、講師から質問に答えてもらえるほか、作品の添削指導を受けられるメリットもあります。
費用はかかりますが、限られた期間で効率的に学習を進められます。
かつてのスクールは特定の場所に通う必要があり、場所的・時間的問題で対面のスクールに通うのが難しかった人でも、現在では自宅からオンラインでレッスンを受けられるスクールも多く、昔よりは受講しやすくなっています。
お勧めのスクールについてはこちらの記事で少し触れています。気になる方はチェックしてください。
実際のWebサイト制作を通じて実践力を身につける
Webデザイナーとしての実力は、結局のところWeb制作の実践を重ねることで身につきます。資格試験の勉強に加えて、ポートフォリオ作品の制作や実際の案件に携わるなどして、実務経験を積むことが不可欠です。
資格では理論や知識が主に問われますが、企業では制作物の質が何より重視されます。講義の内容を実際のコーディングやデザイン作業に活かして、課題に取り組みましょう。作品の完成度を高めることで実践力が身につき、面接でのアピールポイントにもなります。
勉強と実践作業を上手く組み合わせることで、バランスの取れたWebデザイナーとしての総合力が身につくはずです。
まとめ
Webデザイナーとしてキャリアを重ねていくための資格取得は、大きな意味を持ちます。スキルの客観的な評価、転職での強みとなること、学習意欲の継続などメリットは多岐にわたります。
資格の難易度やカバー範囲に応じて、段階を踏んで取得を目指すことをおすすめします。基礎の資格から着手し、実務経験を積みながら上位資格へとレベルアップしていきましょう。そのためにも、効果的な勉強方法と実践を通じたスキルアップが欠かせません。
資格取得そのものが目的ではありません。ポートフォリオの充実とあわせて、トータルでの実力を高めていくことがWebデザイナーとして大切なのです。就職や転職活動においても、実力とその過程を正しく伝えられるかが鍵を握ります。
ぜひ、自身のキャリアビジョンに沿って資格取得を活かし、理想のWebデザイナーを目指してください。
この記事を書いた人
- WEBディレクションジャパン株式会社が運営しているWEB人材の未来の編集者。
WEBデザイナーやWEBクリエイターとして生活を立てていきたいと考えている人たちに役にたつ情報収集や情報発信をしています。
最近書いた記事
就職・転職2024年3月29日会社公式ページでWEBデザイナーを求人募集する代表的な企業を紹介【港区編】 就職・転職2024年3月29日会社公式ページでWEBデザイナーを求人募集する代表的な企業を紹介【東京都編】 就職・転職2024年3月29日【企業の採用者側視点】どのようなWebデザイナーからの応募が魅力的か? 就職・転職2024年3月29日Webデザイナーの求人・転職。採用企業が求めている人材は?