未経験から始めるWebデザイナーのための転職ガイド

ウェブの発展とともに、Webデザイナーの需要は年々高まっています。しかし、Webデザイナー未経験者がこの分野に飛び込むことは簡単ではありません。Webデザイナーとして必要なスキルを身につけ、仕事の実態を理解し、継続的に学習する姿勢が求められます。
本記事では、未経験からWebデザイナーを目指す方へ、転職に向けたガイドラインをご紹介します。
スキルアップが必須!必要なスキルとは

Webデザイナーとして就職・転職するためには、一定のスキルセットを身につける必要があります。どのようなスキルが必要になるのか解説します。
HTMLとCSSの基礎を習得しよう
HTMLとCSSは、ウェブサイトやウェブアプリケーションを構築する上で不可欠な言語です。HTMLはコンテンツの構造を記述し、CSSはそのスタイルや見た目を制御します。この2つの言語の基本を理解することが、Webデザイナーとしての第一歩となります。
HTMLとCSSはあくまで最低限の内容ですが、もう少し習得する時間が確保できるようであれば、JavaScriptも習得しておくと良いでしょう。
- 絶対必要なスキル
- HTML(HyperText Markup Language)
- テキストや画像を配置してWebページのベースとなるコード
- CSS(Cascading Style Sheets)
- 文字サイズ・フォント(書体)・色・レイアウトなどを調整。
※シーエスエスやスタイルシートなどと呼ばれている
- 文字サイズ・フォント(書体)・色・レイアウトなどを調整。
- HTML(HyperText Markup Language)
- 習得しておくと有利なスキル
- JavaScript:Webページを動的にするためのプログラミング言語の一種
就職・転職後も収入アップやキャリアアップをするためには、上記のスキル以外にも色々なスキルが必要になってきます。
デザインツールの使いこなしが重要
Webデザイナーは様々なデザインツールを駆使して、視覚的に魅力的なデザインを作成する必要があります。代表的なものであればAdobe Creative Cloudに含まれるPhotoshop、Illustrator、XDなどのツールを使いこなせるようになることが求められます。
UI/UXデザインの概念を理解する
ユーザーインターフェイス(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)は、Webデザインの中核を成す概念です。UIはウェブサイトやアプリとユーザーがどのように相互作用するかの視覚的なデザインを指し、UXはユーザーがそのプロダクトを使う際の総合的なユーザー体験を意味します。UI/UXの基本を学ぶことで、使いやすく魅力的なデザインを生み出すことができます。
Webデザインは見た目さえが良ければOKではなく、ユーザーにとってのユーザビリティが優れていることも求められます。
Webデザイナーの仕事内容と求められる能力

Webデザイナーの仕事は、単にデザインを作成するだけにとどまりません。様々な能力が問われる総合的な役割が問われる仕事です。
クライアントとのコミュニケーション力が不可欠
Webデザイナーは、クライアントの要求を正確に把握し、的確にデザインに反映させる必要があります。そのためには、クライアントとの円滑なコミュニケーション能力が欠かせません。要件をヒアリングし、自分の意図を分かりやすく伝え、クライアントからのフィードバックを受け入れながらデザインを形作っていく力が求められます。
単に言われた内容のデザインを作るだけでOKというわけではなく、しっかりとクライアントとのコミュニケーションを交わし、ともに作り上げていく能力が必要となります。
問題解決能力とクリエイティビティが大切
デザインの過程では様々な問題に直面します。
- レイアウトが上手くまとまらない
- 機能面で制約がある
- クライアントの希望と自分の意図がかけ離れている など
このように解決すべき課題は尽きません。このような状況においても、柔軟な発想力と創造力を発揮し、最適な解決法を見つけだす必要があります。
継続的な学習が欠かせない
ウェブデザインは常に進化を続けるデジタル分野です。
- 新しいデザイントレンド
- 新しいツール
- 新しいワークフロー など
これらのものが絶えず登場しています。
Webデザイナーとしてキャリアを重ねていくためには、新しい知識やスキルを継続的に学習し、自らをアップデートし続けることが不可欠です。オンライン講習、セミナー、同僚からのフィードバックなど、学ぶ機会を常に用意しておきましょう。
Webデザイナーにとっての停滞は衰退・陳腐化に直結します。
スキル・知識は持っていても、Webデザイナーに向いている人、向いていない人の適正があります。詳しくはこちらの記事で解説していますので、気になる方はこちらの記事もチェックしましょう。
Webデザイナーの厳しい現実

Webデザイナーは創造的で楽しそうな仕事と思われがちですが、その裏側には厳しい現実があります。デザイナーとして成功するためには、高いプロ意識とストレス耐性が求められます。
締切厳守が求められる業務
Webデザイナーの業務では、厳しい締切・デッドラインに縛られることが多くあります。新製品リリースの時期やマーケティングキャンペーンなどの日程に合わせて、限られた期間でデザインを仕上げなければなりません。プロジェクト遂行の障壁となる要因が出てきても、最終期限を原則守らなければなりません。
クライアントの要求に柔軟に対応できるか
Webデザインの世界では、デザイナー個人の創造性だけでなく、クライアントの要望や指示に応えられるかどうかが重要になります。自身のデザイン観とクライアントの意向が合致しない場合もあり、その時々で柔軟に対応する姿勢が問われます。あくまでクライアントが満足・納得するデザインを追求しなければならず、Webデザイナー側が100%満足できるデザインを作れるわけではない点は留意しておきましょう。
デザインと機能性のバランスが肝心
優れたデザインとは、視覚的な魅力(UI)だけでなく、利便性や使いやすさ(UX)も兼ね備えたものです。Webデザイナーには、デザインと機能性を適切に両立させる力が必要とされます。ユーザーエクスペリエンスを損なうことなく、洗練されたデザインを作り上げるのは、決して容易なことではなく、実績の積み重ねや常に情報集をするアンテナを張っておく必要があります。
未経験から始めるための学習方法

Webデザイナーを目指す未経験者は、いきなり仕事に就くことなく、しっかりとした学習が不可欠です。ただし様々な学習方法がありますので、自分に合った学習スタイルを見つけましょう。
オンラインスコースやスクールでスキルを身につける
かつては、Webデザインをしっかりとお金をかけて学ぶためには、専門学校やスクールに通ってスキルを習得するといった学習方法が定番でしたが、今日ではオンラインを活用した学習方法が浸透してきています。
近年、オンラインでデザインスキルを学べるコースが増えています。オンラインコースは実践的なカリキュラムに従って学べるだけでなく、質の高い教材にアクセスでき、手頃な費用で学ぶことができます。例えば、Udemyなどを活用するといった感じで自分のペースで基礎から応用までを効率よく習得できます。
自分のペースというよりしっかりと誰かに直接教えてもらいたいという場合には、オンラインスクール(従来の直接通う形でもOK)での学習をお勧めします。
実践的な課題に取り組む
理論的な知識だけでなく、実践を通してスキルを身につけることも大切です。自分で小さなWebサイトを作ってみたり、デザインコンテストに挑戦したりと、実践的な課題に取り組むことで、スキルが着実に向上します。失敗を恐れずにチャレンジし、そこから学ぶ姿勢が肝心です。
ポートフォリオの作成が就職・転職の鍵
ポートフォリオとは、簡単に言えば自身のWeb作品集で、自身の作品の過去実績の塊と言えるものです。
優れたポートフォリオを作成することが、Webデザイナー就職・転職における最大のカギとなります。自分の力作や学習成果物を入念に厳選・更新し、分かりやすく展示することで、デザイン力やセンスの高さをアピールできます。デザイナーの実力を一目で伝えることができる重要な資産・営業資料となります。
自身の実績やスキルのアピールポイントとなるので、ポートフォリオは自作のサイトで作るのが理想ですが、現在ポートフォリオが無く、まずは何かしらポートフォリオをすぐ用意したいという人にはforiioなどのクリエイター向けのポートフォリオ作成サイトなどを活用するといった方法もあります。
Webデザイナーに必要な資格は?
Webデザイナーになるための必須資格はありませんが、未経験者にとっては資格取得は有益です。
資格取得のメリット
- ポートフォリオ作成の知識が身に付く
- 資格取得の勉強を通じて、Webデザインやコーディングの知識を体系的に習得できます。そして、その知識を活かしてポートフォリオ用の作品を制作することができます。優れたポートフォリオは就職・転職に大きな影響力があります。
- 採用時のプラス評価につながる
- 多くの企業では、関連する資格の取得状況をチェックし、一定の評価をしています。未経験者でも資格を持っていれば、その分採用にプラスの影響を与える可能性は高いです。
- 知識の体系的な習得が可能
- 資格取得講座では、Webデザインに関する知識を体系立てて学ぶことができます。これまでに得た知識のアウトプットにもつながり、知識の定着を図れます。
Webデザイナー未経験者におススメの資格
就職・転職に向けたデザイナーとしての心構え

スキルと経験を積み重ねができてきたなら、次は就職や転職に向けて心構えを整える段階になります。Webデザイナーとして活躍するには、適切な姿勢と意識が求められます。
自分のデザイン哲学を確立する
プロのWebデザイナーとなれば、自身のデザイン哲学や価値観を持つことが重要になります。単に流行に流されるのではなく、自分ならではのデザインスタイルやコンセプトを確立し、それに基づいてデザインすることで、独自の価値を生み出せるようになります。経験を重ねるごとに磨かれ、自分のデザイン哲学は貴重な財産となるでしょう。
ただし、クライアントという相手側の要望を満たす必要もあるため、自分のデザイン哲学のみに固執はしないように注意しましょう。
積極的に人脈形成をしておく
Webデザインの世界に限った話ではありませんが、人脈形成が大きな力になります。業界のイベントやコミュニティなどに参加することで、さまざまな人々とつながることができます。優れたデザイナーと繋がっていれば、そのデザイナーと情報交換をしたり、学んだりすることも可能になるでしょう。
加えて、就職や転職の情報源としても人脈は有効に機能します。自身のポートフォリオを見てもらう機会にもなるでしょう。Webデザイナー未経験からでも積極的に人脈を広げておくことは重要です。
継続的な学習心を忘れずに
Webデザインのトレンドやツールなど、目まぐるしく変化しています。常に最新のデザインやツールなどに関する動向の情報収集をし、新しいスキルやテクニックを学び続けることが不可欠です。経験を重ねるごとに学習意欲が薄れがちになりやすいですが、Webデザイナーには継続的な学習心が求められます。常に向上心を持ち続け、知識とスキルを磨き続けることが、プロとして成長する秘訣です。
まとめ
Webデザイナーへの転職は、決して簡単な道のりではありません。しかし、適切な準備と心構えさえあれば、未経験からでも夢を叶えられるはずです。必要なスキルを身につけ、デザイナーとしての仕事の実態を理解しましょう。そして自身のデザインスタイルを確立し、常に成長を続ける姿勢を忘れずに。技術革新の波に乗り遅れることなく、ウェブの進化に貢献するデザイナーとしてキャリアを重ねていくことができるはずです。
この記事を書いた人
- WEBディレクションジャパン株式会社が運営しているWEB人材の未来の編集者。
WEBデザイナーやWEBクリエイターとして生活を立てていきたいと考えている人たちに役にたつ情報収集や情報発信をしています。
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