Webデザイナーの平均年収はいくら？収入をアップさせるポイントを解説

2024年3月8日収入

Webデザイナーは、ウェブサイトやウェブアプリケーションのデザインを専門とする職業です。彼らは、ウェブページのレイアウト、色彩、グラフィックス、テキストスタイルなどを設計し、ユーザーエクスペリエンス（UX）を向上させることを仕事としています。

近年ではAI（人工知能）技術の向上によりWebデザイナーの仕事が奪われるのではないかといった話もあるものの、確かにWebデザイナーの一部の仕事は代用されることはあるものの、Webデザイナーが求められる場は非常に多く、仕事がすべてなくなることはまずないでしょう。

この記事では現在Webデザイナーの人やこれからWebデザイナーを目指す・転職を考えている人向けに気になるWebデザイナーの平均年収の現状、収入をアップさせるためにどのようなことが必要になるのかについて解説していきます。

Webデザイナーの平均年収はどのくらい？

まずは一番気になる人が多いと思うWebデザイナーの平均年収の現状から触れていきたいと思います。

Webデザイナーの平均年収について

Webデザイナーの平均年収は、一般的には350万円前後が目安ですが、さまざまな要因によって大きく異なります。経験やスキル、勤務地、雇用形態などがその要因です。

雇用形態別での平均年収目安としては以下の表のとおりになります。

厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」の結果にある日本の一般労働者の平均年収は311.8万円なので、Webデザイナーの平均年収は、日本全体の一般労働者の平均年収と比べると少し高い水準となっています。

都市部に比べ、地方在住の場合は年収水準が低くなる傾向があります。

Webデザイナーの企業勤務とフリーランスの年収比較

企業勤務とフリーランスとでは、収入のあり方が異なります。

企業勤務の場合、安定した収入が期待できますが、業績次第では賞与が変動する点は留意が必要です。
フリーランスの場合はプロジェクト単位で報酬が決まるため、受注状況によって収入が大きく変動します。

それぞれの雇用形態における平均年収の違いも比較してみましょう。

企業勤務の正社員雇用であれば、平均年収は安定しますが、年収アップの上限にも限りがあります。（マイナビクリエイターの情報によると年収600万円前後が最大値という情報があります）

フリーランスは他の雇用形態と比べ平均年収の幅が非常に広く、アルバイトやパートの平均年収を下回るフリーランスもいれば、正社員の平均年収を遥かに超える高額年収を得るフリーランスもいます。スキルと営業力次第では、年収1,000万円を超えるスーパーフリーランスデザイナーも存在しますが、仕事が不規則になりがちなため、副業にとどめておく人も多いようです。

年齢・職種別Webデザイナーの年収相場

年齢や職種などによっても年収は変動します。若手とベテランのWebデザイナーでは収入に大きな開きがありますし、Webデザイナーに近しいWebクリエイター職を選択した場合でも年収は異なります。こうした要素を考慮して年収相場を把握しましょう。

いくつかの大手求人サイトで年代別や職種別のWebデザイナーの平均年収について情報を開示しているため、各社の平均年収についてもまとめてみました。

20代のWebデザイナーの平均年収

20代のWebデザイナーの平均年収は350万円前後です。

20代前半のWebデザイナーの平均年収は300万円前後と比較的低めです。しかしある程度経験が付いてきた20代後半になると、平均年収は350万円を超えてくるようになります。

この年代はスキルを磨き、経験を重ねる大切な時期で、年収アップのチャンスが広がります。

30代のWebデザイナーの平均年収

30代のWebデザイナーの平均年収は390万円前後です。

Webデザイナー単体で見ると400万円に満たないですが、色々な経験やスキルを身に着け、UIデザイナーやWebディレクターなど、専門性の高い職種であれば年収600万円を超える水準も夢ではありません。経験とスキルが評価され、収入が大幅にアップする時期と言えるでしょう。

40代のWebデザイナーの平均年収

40代のWebデザイナーの平均年収は440万円前後です。

上位層では800万円を超える報酬を得ている方も少なくありません。クリエイティブディレクターやアートディレクターなど、指導的立場の職種に就けば年収は一気に高くなる可能性もあります。

Webクリエイター職の平均年収

Webデザイナーは20～30代の人たちが中心で、まだ経験も浅いため年収額もまだ低い状態になります。ただ、経験を積んできたWebデザイナーの一部は、アートディレクターにキャリアアップしたり、Webデザイナーの経験を活かしやすいWebクリエイター職にキャリアチェンジをして年収アップを実現する人たちもいます。

参考情報としてdodaが公表しているWebクリエイター職の平均年収についてご紹介します。

Webクリエイター職といってもすべてがWebデザイナーよりも平均年収が多い職種というわけではなく、もちろん平均年収が少ない職種もあります。

若手から中堅・ベテランへと経験を重ね、高付加価値の職種に挑戦することで、報酬アップが期待できます。

Webデザイナーの収入をアップさせるポイント

Webデザイナーで収入を上げるためには、普通に働いているだけでは不十分です。ここでは収入をアップさせるために押さえておきたいポイントについて解説します。

必要なスキルと知識を獲得する

Webデザイナーとして収入を上げるためには、デザインスキルはもちろん、幅広い知識とスキルの習得が欠かせません。HTML/CSSやJavaScript、WordPress構築などのコーディング能力に加え、ディレクション能力、マーケティング知識、SEO対策能力などがあれば、より高収入が望めます。

また、UI/UXデザイン、アクセシビリティ、セキュリティなど、専門性の高い領域の知識を身につけることで、付加価値の高い仕事を請け負えるようになります。必要なスキルを常に学び続け、自身のスキルセットを充実させることが重要です。

自身のウェブデザイン作品（ポートフォリオ）を作成・編集する

Webデザイナーとして活躍するには、自身の作品集(ポートフォリオ)の充実が欠かせません。質の高いポートフォリオがあれば、それだけで高い評価を得ることができます。

初心者の場合、学生時代の課題作品や個人制作のサイトなどを活用しましょう。経験を重ねるごとに、さまざまな作品を積極的に追加・更新していく必要があります。自分の強みがよく分かり、自身の実績やスキルをアピールできるポートフォリオこそ、高収入を手にする鍵の1つとなるのです。

自身の実績やスキルのアピールポイントとなるので、ポートフォリオは自作のサイトで作るのが理想ですが、現在ポートフォリオが無く、まずは何かしらポートフォリオを用意したいという人にはforiioなどのクリエイター向けのポートフォリオ作成サイトなどを活用するといった方法もあります。

フリーランスや副業への挑戦で収入アップを実現

自身のスキルや営業力に自信があり、高収入を望むのであれば、いずれはフリーランスやWebデザイナーとしての副業に挑戦することをおすすめします。企業に勤めながら副業として案件を請け負うことで、収入アップを図ることができます。

自身のスキルとポートフォリオをブラッシュアップしつつ、徐々にフリーランスの仕事を増やしていけば、いずれは本業に切り替えて高収入を実現できるかもしれません。フリーランスのメリットは、収入への上限がないところにあるといえるでしょう。

Webデザイナーに必要なスキルとは

Webデザイナーとして仕事をして、希望する給料をもらうためには、それに見合うスキルが求められてきます。ここでは、Webデザイナーとして押さえておかないといけないスキルの内容について触れていきます。

必要なデザインスキル・ツールを把握する

Webデザイナーとして活躍するためには、高度なデザインスキルが不可欠です。デザイン理論やデザインプロセス、レイアウト構成力など、基礎から応用までの知識が求められます。

特にAdobe Creative Cloudの各ツール(Photoshop、Illustrator、XD、Premireなど)をしっかり使いこなす必要があります。デザインの基本ツールを習熟していないと、クリエイティブな発想を形にすることができません。ツールの操作スキルと並行して、デザインの専門知識も身につけることが大切です。

近年では、AIを活用したデザインツールの発達も目覚ましく、WEBデザイナーにとって無視できない存在となっています。AIデザインツールを上手く活用することで、効率的で質の高いデザインワークが可能になります。例えばMIDJOURNEY、DALL-E、Adobe FireflyなどのAI画像生成ツールを使えば、優れたビジュアルデザインをスピーディに生み出すことができます。また、AIロゴデザインツールを活用すれば、オリジナリティに富んだロゴを短時間で作成できるでしょう。

このように、最新のAIデザインツールの特性を理解し、上手く取り入れることが、Webデザイナーにとって大きな武器となります。AIと人間のクリエイティビティを掛け合わせることで、これまでにない革新的なデザインを生み出し、仕事の質も向上できる絶好の機会となるでしょう。

コーディングやプログラミングなどの必要な技術領域を理解する

Webデザイナーとして活躍するためには、コーディングやプログラミングなどの技術領域も理解しておく必要があります。これらのスキルを習得することで、より高度なデザインや機能の実装が可能になります。

近年のWEBデザイナーには、デザイン以外のスキルとして、コーディングやプログラミングの知識が求められています。HTML/CSS、JavaScriptなどのウェブ技術の理解は必須と言えるでしょう。

特にJavaScriptはWebサイトを動的に動作させるために欠かせない技術です。最新のフロントエンドフレームワーク(React、Vue.jsなど)の習得も、より高い報酬を得るための強力な武器となります。さらにCMSであるWordPressやPHPの知識を持っていれば、一歩先を行ける人材になれます。

UI/UXデザインやWEBマーケティングなどの幅広い知識を取得する

WebデザイナーがWebサイトやサービスを開発する上で重要なのが、UI/UXデザインの知識です。

ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)は、ユーザー視点に立ったデザインを追求する考え方です。

さらに、Webマーケティングの知識を持つことで、デザインにも広がりが出てきます。SEO対策、アクセス解析、ユーザー心理学なども学ぶことで、より優れたデザインが可能になります。デザイン以外の幅広い知識を身につけることが、高収入デザイナーへの近道になります。

WEBデザイナーとして活躍できる場所

Webデザイナーは幅広い職種で活躍できる仕事ですが、具体的にどのような場所・形で活躍できるのか解説します。

企業や制作会社での職種と仕事内容

Webデザイナーとしては、企業や広告制作会社、Web制作会社などに就職するケースが最も多いでしょう。これらの企業で求められる主な職種には、ビジュアルデザイナー、UIデザイナー、コーディネーターなどがあります。

大手企業の場合、専門職としてWEBデザインに特化した仕事内容となることが多いです。

一方、中小制作会社だと、デザインからコーディング、ディレクション業務まで幅広い役割を担うことになります。

初心者のWebデザイナーは規模の小さい制作会社で幅広く経験を積み、スキルアップを目指すのがよいでしょう。

フリーランスや在宅副業での働き方

Webデザイナーは企業に勤めるという形だけでなく、フリーランスやWebデザイナーとしての副業にも可能性があります。

フリーランスはプロジェクト単位で受注し、自由に働ける反面、仕事や収入の安定性が低いというデメリットもあります。

副業の場合は、本業をキープしたまま、個人で副収入を得られるというメリットがあります。クラウドワークスなどのクラウドソーシングのWebサイトに登録すれば、比較的容易にWebデザインの仕事を請け負えるでしょう。

副業からスタートし、徐々にスキルを磨き、将来的にフリーランスに転向するのも一つの選択肢です。

フリーランス・副業の主なメリット・デメリット

海外での活動・働くための準備とチャンス

Webデザイナーには、海外で活躍するチャンスも多くあります。英語力と適応力があれば、海外のWebサイトやサービスのデザインに携わることもできます。リモートワークが広がる中、在宅でグローバルに働くことも可能になってきました。

海外で活躍するには、語学力とコミュニケーション能力が必須です。また、海外ユーザーのニーズを理解するための知識や経験が求められます。専門のポートフォリオサイトにアピールするなどして、海外からの仕事を獲得する必要があります。チャンスさえ掴めば、国内の案件より高い報酬を得ることもできるかもしれません。

Webデザイナーを目指す前に知っておくべきリアルな話

Webデザイナーは一見魅力的で創造的な仕事に見えますが、その裏側には過酷な環境や厳しい実態が存在します。

ここではWebデザイナーへの道のりを考える上で欠かせないリアルな部分をご紹介します。Webデザイナーを本当に目指すべきか、現実を知ることで判断材料としてください。

「やめとけ」、「後悔」の声から学ぶWebデザイナーの実態

Webデザイナーへの道のりは、必ずしも甘くはありません。長時間労働や過酷なスケジュールが常態化していたり、納期に追われてストレスが溜まるケースも多いのが現状です。実際に、「Webデザイナーをやめるべきだった」「後悔している」という声もよく聞かれます。

そうした実態からは、Webデザイナーに求められる責任の重さや、スキルへの高いニーズを窺い知ることができます。デザインの仕事は目に見えるものを作る分、クリエイターに対する要求が非常に高いのです。体力と精神力、そしてコミットする強い意志が試される仕事だと自覚しておく必要があります。

一方で、Webデザイナーという仕事にやりがいを感じる人も多くいます。自身のアイデアを形にできることや、革新的なサービスづくりに関われることに喜びを見出しているのです。適性さえあれば、充実感の得られる仕事であることは間違いありません。

安定した収入を得るための条件とは

Webデザイナーとして安定収入を得るには、スキルの高さと経験の積み重ねが不可欠です。

さらには、常に新しい技術や動向に目を向け続けることが大切です。トレンドに乗り遅れることなく、機会を逃さずスキルアップを心がけることで、希望する収入につながる可能性が高まります。

また、フリーランスの方であれば、スキルの高さや経験の積み重ね以外にも、案件を安定して獲得する必要があり、そのためには強力な営業力も欠かせません。これには、実践を重視した学習が欠かせません。デザイン事務所での長期インターンシップや、副業を通じたOJTなどによって、実務経験を積む必要があります。また、デザインスキルとともに企画力や提案力といった付加価値スキルを身につけることも重要です。

デザイナーとして成功するための要素と考え方

Webデザイナーとして大成功を収めるには、スキルと経験はもちろん、それ以外の重要な要素が存在します。突出したデザインセンスとクリエイティビティ、そしてオリジナリティにあふれるアイデアが不可欠です。画期的なアイデアがなければ、世界に通用する作品は生み出せません。

また、誠実さやこだわりの強さ、協調性や行動力といった人間性も重視されます。高いコミュニケーション能力とリーダーシップも必要不可欠でしょう。デザインスキルだけでなく、人格面からも高い評価を得られる存在でなければ、一流のデザイナーとは呼べません。

さらに、自分の作品にプライドを持ち続け、常に高みを目指す向上心が欠かせません。革新とイノベーションを恐れることなく、チャレンジ精神を忘れずにいることが肝心です。

上手く年収アップできるキャリアプラン例

• 幅広いスキルセットの獲得
  • デザインスキルに加え、コーディング、マーケティング、ディレクション力など、多彩な知識とスキルを身につけることで高付加価値なWebデザイナーとして評価され、より報酬の高い仕事を請け負えるようになります。
• フリーランスへの本格的な挑戦
  • 企業に勤めながら副業で仕事を請け負い、徐々にポートフォリオと実績を積み上げることで、いずれはフリーランスに本格的に転向し、収入の上限を大きく広げることが可能です。
• 海外案件への積極的な挑戦
  • 語学力とポートフォリオを武器に、海外のWebサイトやサービスのデザインに携わることで、国内よりも高い報酬を得られる可能性があります。リモートワークが浸透した今、チャンスは広がっています。
• 専門特化による収入アップ
  • UIデザインやWebディレクション、アクセシビリティなど、特定の専門分野にフォーカスし、その領域で卓越した技術を身につけることで、プロフェッショナルとして高い評価を受け活躍できます。
• 起業や事業運営への挑戦
  • 優れたビジネスマインドと実行力があれば、自身のWebデザイン会社やサービスを立ち上げることで、事業主体として高収入を得られる可能性が広がります。

上手く年収アップできないキャリアプラン

• 現状維持に甘んじる
  • 同じ会社や同じ職種にとどまり続けると、スキルが停滞し、モチベーションが低下します。新しい環境に挑戦しないことで、年収アップのチャンスを逃してしまう可能性が高くなります。
• 学ぶ姿勢を失う
  • 新しい技術やトレンドの変化に関心を持たず、常に学び続けようとしないと、いずれスキルが陳腐化し、仕事を奪われてしまう恐れがあります。未来を見据えた学びが欠かせません。
• マンネリ化に陥る
  • 自分の作風やスタイルにこだわりすぎ、新しい試みをしなくなると、クリエイティビティが低下します。マンネリ化を打破し、常に斬新なアイデアを生み出す姿勢が求められます。
• 自己満足に囚われる
  • 自分の作品やスキルに満足し、さらなる向上を目指そうとしなくなると、いずれ才能が陳腐化してしまいます。上を目指し続ける向上心が重要です。
• 営業力の無視
  • 優れたデザインスキルがあっても、それを広く知らしめ、案件獲得につなげられなければ、高収入は望めません。自身の価値を効果的にアピールできる営業力が欠かせません。

まとめ

この記事では、Webデザイナーの平均年収や収入アップに向けたポイント、必要なスキルと将来の活躍の場について詳しく解説してきました。

Webデザイナーの平均年収は、経験年数や職種、勤務地によってさまざまですが、キャリアを重ねることで高額な年収を得られる可能性があります。収入アップに向けては、デザインスキルに加え、コーディングやマーケティングなど多彩な知識・技術の習得が欠かせません。

また、フリーランスへの挑戦や海外展開など、報酬の高い働き方にもチャンスがあります。一方で、長時間労働や過酷な環境がデザイナーに待ち構えていることも事実です。しかし、優れたデザインセンスと向上心さえあれば、充実した活躍が期待できるはずです。

Webデザイナーとしてのキャリアを真剣に検討するなら、この記事を振り返し、現実的な目標設定と準備を行うことをおすすめします。幅広い知識とデザインスキルの習得に加え、実践から学ぶ強い意志が重要です。それができれば、確かに高収入を得られるWebデザイナーへの道が開かれるはずです。

この記事を書いた人

WEB人材の未来編集部

WEBディレクションジャパン株式会社が運営しているWEB人材の未来の編集者。
WEBデザイナーやWEBクリエイターとして生活を立てていきたいと考えている人たちに役にたつ情報収集や情報発信をしています。

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