デザイナーとは?仕事種類を専門性や分野ごとに解説

デザイナーという職業は、様々な分野で活躍する創造的な仕事です。製品のパッケージから建築物、ウェブサイトに至るまで、私たちの生活のあらゆる場面でデザイナーの手によるものに触れています。
デザイナーに興味がある方や、その道に進もうと考えている方に向けて、デザイナーの種類別に役割と仕事内容についてご紹介します。
デザイナーとは?

デザイナーは、視覚的なアイデアを形にし、人々の生活をよりよいものにするクリエイターです。美しさと機能性を両立させながら、ユーザーの欲求を満たすデザインを生み出す役割を担っています。
デザイナーの定義と役割
デザイナーの仕事は、製品、ポスター、雑誌や書籍の表紙、レイアウトなど、様々なものをデザインする仕事です。デザイナーが活躍する分野は多岐にわたるため、ジャンルによって必要とされる知識やセンスは異なるものの、いずれのジャンルでも、「クライアントや依頼者の求めに応じたデザインを形にする仕事」というのは共通しています。
デザイナーは、様々な製品やサービス、環境などをユーザーにとって魅力的で使いやすいものにするための創造的な仕事に従事する人です。デザイナーの役割は、課題を発見し、創造的なアイデアでそれを解決すること。視覚的な表現を通じて、人々の生活を豊かにするような・より良いものにするような最適なデザインを考案することがデザイナーの仕事です。
デザイナーの種類と専門分野
デザイナーには様々な種類と専門分野があります。
グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、インテリアデザイナー、ファッションデザイナー、建築デザイナーなど、活躍の場は多岐にわたります。
また最近では、UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナーやUI(ユーザーインターフェイス)デザイナーなど、デジタル分野のデザイナーも注目を集めています。
デザイナーは自身の関心や適性に合わせて、専門分野を選択することができます。
デザイナーの仕事内容

デザイナーの仕事内容は、専門分野によって様々です。ここでは、代表的なデザイナーの種類と仕事内容を紹介します。
インターネット・メディア関連
主にスマホやパソコンで見るWebサイトやアプリなどのデザイナー職について紹介します。
Webデザイナーの仕事
Web人材の未来で一番多く取り上げている内容ですが、Webデザイナーは、ウェブサイトやアプリの視覚的なデザインを担当します。ユーザービリティとシンプルさ、直感的な操作性を重視しながら、クライアントなどのイメージに合ったデザインを制作します。
最新のウェブ技術やトレンドに精通し、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を意識したデザインが求められます。
webデザイナーには、デザインの基礎知識だけでなく、webサイトの制作に欠かせないプログラミング言語やコーディングスキルが必要です。
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UI/UXデザイナーの仕事
UI/UXデザイナーは、ユーザー視点に立って分かりやすく使いやすいデジタル製品やサービスを作ることが主な役割です。単なるデザインだけでなく、ユーザー体験を総合的に設計する必要があります。エンジニアやプロジェクトマネージャーなど、関係者と密に連携しながら業務を行います。
UIとは、User Interface(ユーザーインターフェース)の略で、ユーザーが直接Webサイトやアプリなどに触れる接点のことをいいます。簡単に言うと視覚的に分かりやすいデザインを作ることです。
UXとは、User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略で、ユーザーがWebサイトやアプリを通じて得られる体験のことをいいます。簡単に言うとユーザーが使いやすいデザインを作ることです。
前述のWebデザイナーの仕事範囲は広がってきており、UI/UXデザイナーの領分も兼ね備える人材は重宝されます。
ゲームデザイナーの仕事
ゲームデザイナーは、ゲームを作る仕事です。ゲームデザイナーには創造力とゲームへの深い理解が求められます。企画から最終調整まで、クリエイティブなゲームを作り上げる中心的な役割を担います。プログラマー、グラフィックデザイナーなど他の職種と密に連携しながらゲーム開発に携わります。
さらに、制作現場の管理や、完成後のバグのチェックなどを任されることも少なくありません。
- ゲームコンセプトの企画
- ゲームデザインドキュメントの作成
- レベルデザイン
- キャラクター・アイテムデザイン
- ゲームプレイのチューニング
- プロトタイプの作成
ゲームデザイナーになるには、CG制作やプログラミングに関する専門知識のほか、企画やプレゼンテーションスキル・論理的思考力なども求められます。また、最新のトレンドを捉えるため、情報収集能力も必要になります。
画像や映像関連
主にイラストや写真・動画などの制作をするデザイナー職について紹介します。
グラフィックデザイナーの仕事
グラフィックデザイナーは、視覚的な広告やロゴ、パッケージデザインなどを手がけます。印刷物からデジタルメディアまで幅広い媒体に対応し、クライアントのニーズに合わせてデザインを作成します。タイポグラフィやイラストレーション、レイアウトなどの技術を駆使し、的確なメッセージ性と美しさを両立したデザインを生み出すことが求められます。
グラフィックデザイナーは手がける制作物の種類により、大きく2つに分類されます。
- 広告系グラフィックデザイナー:広告を制作する
- ゲーム系グラフィックデザイナー:ゲームのキャラクターなどを制作する
デザイン理論などの基礎知識のほかにグラフィックソフトを使いこなすスキルや、デザイン能力・美的センスなども求められます。
CGデザイナーの仕事
CGデザイナーは映画、ゲーム、CMなど様々な分野で活躍しています。
専用のソフトやアプリを使い、2次元や3次元の映像・画像などを制作する仕事です。アニメーションやゲームのようなエンタメ系のCGデザイナーの他に、建築物やプロダクトなど、産業用の図面などを制作するCGデザイナーもいます。
CGデザイナーの仕事には、デザインを立体化させたり、動きをつけたりなど、いくつかの工程がありますが、全てを1人で担当するわけではありません。各工程に専門のデザイナーがおり、分業化されているのが一般的です。
- 3DCGモデリング
- テクスチャリング
- ライティング
- アニメーション
- レンダリング
CGデザイナーは高度なCGスキルとクリエイティブな発想力が求められる職種です。デザインの基礎知識や、コンピューターの知識が必要です。また、デッサン力やカメラの知識など、担当する工程毎にプラスαで関連スキルも必要になります。
イラストレーターの仕事
イラストレーターには優れた描画力と創造力が求められます。依頼主の要望を的確に汲み取り、想像力を駆使して魅力的な作品を制作する必要があります。アナログでの手描きはもちろん、近年ではデジタル描画ツールを使ったデザインスキルも重要視されています。
雑誌や、書籍・カタログなどの紙媒体をはじめ、Webやゲームなどのデジタルのイラストを描く場合もあります。
また、もう少し専門性の高いイラストレーターの職種もあります。
- テクニカルイラストレーター:家電や工業製品のマニュアル用の立体図を作成するイラストレーター
- メディカルイラストレーター:医学書の解剖図などを作成するイラストレーター
どのようなイラストを描くにしても、イラストレーターにはデッサン力が求められます。グラフィック系のソフトを使って描く場合は、ツールを使いこなす技術も必要です。創作性を求められるイラストを作成する場合には、自分の個性をアピールできるような、オリジナリティがあることも大切です。
印刷・紙媒体関連
主に書籍・雑誌・パンフレットなど印刷・紙媒体の制作をするデザイナー職について紹介します。
DTPデザイナーの仕事
DTPデザイナーはポスターやチラシ・雑誌などの紙媒体をデザインする仕事です。
DTPとは(Desk Top Publishing)を略した言葉で日本語では卓上出版と呼ばれます。印刷物をパソコン上で作成することや、作成した印刷データを出力するまでの工程を意味しています。
DTPデザイナーは印刷知識に加え、扱うDTPソフトの高い操作スキルが求められます。クライアントの要望を的確に反映させ、文章・イラスト・写真など分かりやすく美しいレイアウトデザインを制作する必要があります。
書籍や雑誌のデザインは、見た目の美しさだけでなく、人間の目の動きなどを配慮しながら、読者が読みやすいようにレイアウトすることも重要です。
グラフィックデザイナーの仕事と類似している点はありますが、DTPデザイナーは、グラフィックデザイナーが作り上げた画像も含めて全体をレイアウトし、さらに印刷会社の試し刷りを見て、色味などのチェック(校正)します。
DTPデザイナーになるには、DTPソフトの使い方や、組み版の技術・文字組みなどのDTPの知識が必要です。印刷技術に関する知識もあるとなおよいでしょう。
エディトリアルデザイナーの仕事
エディトリアルデザイナーは雑誌の方向性やビジュアルスタイルを決める中心的な存在です。単なるページデザインだけでなく、コンセプト設計からスケジュール管理まで幅広い役割を担います。
書籍・雑誌・新聞のようなページ数が多い読み物の誌面をデザインし、読者が読みやすいように、文章や写真を誌面上にレイアウトしていきます。
前述のポスター・チラシなどの紙媒体をデザインするDTPデザイナーと異なる点は、エディトリアルデザイナーがデザインするものは、ページの読み物に特化しているところです。使用するソフトとして、Adobe社のInDesignを使うのもエディトリアルデザイナーの特徴です。
エディトリアルデザイナーになるには、デザインに関連する知識や、編集用のツールを使いこなすスキルのほか、文字を扱うタイポグラフィについても熟知していることが求められ、デザイン、編集、マネジメントの総合的な能力が必要とされる職種といえます。
ブックデザイナーの仕事
ブックデザイナーは、書籍の表紙や、帯・扉などをデザインする職種です。装丁家(そうていか)と呼ばれることもありますが、装丁家は主に表紙などの外観をデザインすることが多いのに対し、ブックデザイナーは本の中身のデザインも担当します。
表紙のデザインによって本の売れ行きが大きく左右されることも多いこともあり、ブックデザイナーの仕事は売り上げに直結する重要な職種です。見た目のデザインはもちろん、使用する紙の種類などまで考慮しなければなりません。
ブックデザイナーになるには、Adobe社のIllustratorやPhotoshopなどのグラフィックツールを使いこなせること、タイポグラフィや書体に関する知識も必須です。
製品作り関連
雑貨や家電など、様々な製品のものづくりを担うデザイナー職について紹介します。
プロダクトデザイナーの仕事
プロダクトデザイナーは、私たちの生活に身近な様々な製品をデザインする職種です。デザインする対象はとても幅広く、家具、家電製品、文房具、自動車、商品パッケージなど、様々な商品に及びます。プロダクトデザイナーの役割は、単に製品の外観を美しくデザインするだけでなく、機能性と使いやすさを追求することが重要な使命です。
製品のデザインに携わる職種には、他にもインダストリアルデザイナーがいます。インダストリアルデザイナーは工業製品や機械製品に特化していますが、プロダクトデザイナーは工業製品に加えて、生活全般に関わる製品を広くデザインする点が異なります。
プロダクトデザイナーを目指す人は、デザインの専門教育を受けた後、メーカーやデザイン会社で実務経験を積み重ね、スキルを磨いていきます。立体物のデザインをするため、3DCADソフトを使いこなせるスキルは必須です。
インダストリアルデザイナーの仕事内容
インダストリアルデザイナーは、自動車や家電製品など大量生産される工業製品や、航空機や医療機器などの産業用製品をデザインする職種です。製品には優れたデザイン性や独創性が求められますが、同時に使用者の安全性と機能性を十分に考慮したデザインでなければなりません。
インダストリアルデザイナーを目指す人は、工業デザインコースを設置する専門学校や、美術系あるいは工学系の大学を卒業後、メーカーやデザイン事務所に就職するのが一般的なキャリアパスです。
メーカー勤務の場合、インダストリアルデザイナーは企画部門や製造部門に所属することが多く、様々な部門と協力しながら、高い機能性と革新性を備えた製品デザインに取り組むことになります。
テキスタイルデザイナーの仕事
テキスタイルデザイナーは、アパレル、インテリア、産業資材など、様々な製品で使用される布地や織物のデザインを手がけます。
ファッションデザイナーやインテリアデザイナーなどの他のデザイナーと協力しながら、製品の用途や機能性を考慮して生地を完成させます。生地の柄、色彩、素材を決定し、最終的な製品に最適な布地を制作していきます。企業によっては、新素材の開発業務にも携わるテキスタイルデザイナーもいるようです。
テキスタイルデザイナーを目指す人は、デザインの専門知識に加えて、染色や織物についても理解している必要があります。大学やデザイン専門校などで基礎を学んだ後、アパレルメーカーやデザイン事務所、繊維メーカーなどで実務経験を積み重ね、実践的なノウハウを身につけていくことが一般的なキャリアパスです。製品デザインと素材開発の両面から、高品質な布地を生み出すスキルを磨いていきます。
建築・空間関連
最後に建築・空間スペースをデザインするデザイナー職について紹介します。
建築デザイナーの仕事内容
建築デザイナーは、建築物の外観や内装などの空間をデザインを手がける職種です。一般的に建物のデザインを想像すると、構造設計を行う建築士を思い浮かべがちですが、建築士と建築デザイナーは役割が異なる専門職です。
建築士は主に建物の構造強度や設備システムなどを設計しますが、建築デザイナーは発注者のニーズを汲み取り、建物の意匠面、つまり外観デザインや間取り、内装デザインなどを専門的に担当します。
建築デザイナーを目指す人は、大学や専門学校で建築学を学んだ後、設計事務所や建築デザイン会社に就職し、実務経験を重ねていくのが一般的なキャリアパスです。建築デザイナーに特別な資格は不要ですが、建築士の資格を持つことで意匠設計の領域でも活躍の場が広がります。
空間デザイナーの仕事内容
空間デザイナーは、住宅や商業施設、美術館、庭園など、様々な空間の内外をデザインする職種です。すでに完成した建物の内部空間について、照明やインテリアなどをデザインすることもあれば、建物の設計段階から関与し、空間デザインを行うこともあります。
空間デザイナーを務めるための特定の資格は必要ありませんが、インテリアに関する専門知識と卓越した配色力、美的センスが不可欠です。建築の専門家と綿密にやり取りする必要があるため、建築や設計に関する幅広い知識も求められます。さらに、プロジェクトの予算管理やスケジュール管理など、実務能力も備えている必要があります。
様々な用途の空間において、機能性と美しさを両立させたデザインを実現することが、空間デザイナーに課された重要な役割といえるでしょう。
デザイナーの種類は色々。あなたがなりたいデザイナーになろう
デザイナーは、創造性とセンスを発揮し、人々の生活を美しく、使いやすいものへと形作る仕事に携わります。グラフィックデザインからウェブ、プロダクト、建築まで、多様な分野で活躍できる職業です。新しいテクノロジーの進展とともに、デザイナーの需要は今後さらに高まっていくことが予想され、将来性のある職業と言えるでしょう。クリエイティビティと技術力、コミュニケーション力などのスキルを身に付け、実務経験を重ねることで、デザイナーへの道が開かれます。自らの関心や適性に合わせて、専門分野を選び、デザインの世界で活躍しましょう!
この記事を書いた人
- WEBディレクションジャパン株式会社が運営しているWEB人材の未来の編集者。
WEBデザイナーやWEBクリエイターとして生活を立てていきたいと考えている人たちに役にたつ情報収集や情報発信をしています。
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